子供と日本へ里帰り!
海外に住んでいる者にとって、日本への一時帰国 は最も楽しみなイベントの一つですよね。



でも、近年の国際結婚の増加によって、
片方の親と子供だけで母国に一時帰国することが、
以前よりも簡単ではなくなってきているのをご存じですか?


その理由が、❝ハーグ条約❞
国境を越えて 子供を不法に連れ去るのを防ぐために、国際的に結ばれている条約 です。


子供を守るための条約ではあるのですが、
「ちょっと里帰りしてきます~」と、自分と子供だけで気軽に母国に帰ることは、
これからもっと厳しくなっていくと予想できます。

実際に、夫はスイスに残り、私と子供だけで日本へ里帰りしたとき、
KLMオランダ航空を利用したのですが、乗り継ぎのアムステルダムでの出国審査で、
「父親の同意書はありますか?」と聞かれたのです。

何も用意していなかった私は、冷や汗・・・
どれだけ口で説明しても、書面がなくては証明にならず、審査のために別室で束縛💦

結局は、夫に電話して同意していることを伝えてもらって事なきを得ましたが、
乗り継ぎの飛行機に乗り遅れそうになってヒヤヒヤした、という苦い思い出があります。


そこで今回は、私のような無用な心配をする人が少しでも減るように、
片方の親だけで日本に一時帰国する場合に準備しておくべき書類 について、
まとめたいと思います。

印刷して必要事項を記入するだけでオッケーの、
同意書のフォーマットをダウンロードできるサイト も紹介しますので、
無用なトラブルを防ぐためにも、ぜひ準備しておいてくださいね。



 


子供を守るための条約!ハーグ条約とは?

ハーグ条約 は、簡単に言うと、
子供が片方の親に母国に連れていかれたまま、元の居住国に戻れない状況になった場合に、
もう片方の親から申し出があれば、子供の安全な返還を支援することなどを定めている条約 のこと。


・ ・ ・

自分の両親に子供を会わせたい、日本の文化を経験させてあげたい、
といった理由で帰国する私たちからすれば、ビックリするような話ですが、

実際には、片方の親が途上国出身の場合、一時帰国を名乗って母国に帰国し、
そのまま元の居住国に戻らず、母国で子供を働かせたり、
ひどいケースでは、子供を売買するといったことも起こっているのです。

そういった不法な子供の連れ去りを防ぐために、ハーグ条約が結ばれています。
加盟国は年々増えていて、日本も 2014 年 4 月から締約国になりました。





父親の同意書が必要!母親と子どもだけが日本へ一時帰国する場合

ハーグ条約が作られたのが、オランダのハーグという街というだけあり、
オランダではとくに、片方の親による子供の連れ出しについては、厳しいようです。

在オランダ日本国大使館のホームページで、こんなメッセージが発表されています:

オランダ王立軍警察によれば,子の奪取や誘拐などを防ぐため,出入国審査においてその子の渡航に関する親権者の同意確認を実施しており,特に一方の親だけが子供を連れて渡航する場合に,もう片方の親の同意確認が求める場合があるとしています。
同警察は,親・子の国籍にかかわらず,一方の親だけが子供を連れて出入国審査を受ける場合は以下に挙げる書類を携行することをアドバイスしています。

同意書
親権を証明するもの(離婚している場合)
至近の住民登録票や出生証明書
同行しない親の旅券写し
子の復路航空券

※引用在オランダ日本国大使館


要は、片方の親が自分の母国に子供を連れて帰るとき、
それが、もう片方の親の同意あって一時帰国するだけなのか、
連れ去り目的なのか、出国審査官は一目で判断できません。

それを証明するのは、やっぱり「書類」というわけです。


私がスイスから日本へ一時帰国する時に持参する書類は、

・夫のサインがある渡航同意書 (次に説明します)
・夫のパスポートのコピー
・家族証明書のコピー

の 3 点です。

これまで、アムステルダム、ヘルシンキ、フランクフルトで出国審査を通るときに、
この 3 つの書類を見せましたが、スムーズに済ませられています。


では、渡航同意書ってどんなものを用意すればいいの?ということで、
次に、印刷して必要事項を記入できる同意書のフォーマット を紹介しますね。



渡航同意書のフォーマット

JALのホームページから、
子供を連れて帰るときの同意書 (英語) を、ダウンロードして使うことができます。


18歳未満の渡航同意書(英語)
18歳未満の渡航同意書(記入例)


※ちなみに、カナダ、オーストリア、スペイン、イタリアなど、
一部の国では専用の同意書フォームも用意されているので、
スイス以外の国から出国するというあなたは、チェックしておいてくださいね:

未成年の単独・または片親のみ同行の渡航に条件のある国 (JAL)




さいごに

今後、国際結婚がさらに増えて、
一時帰国と称して片親だけで母国に一時帰国する人たちも増えてくると思うので、
出国審査もこれからもっと厳しくなってくるはず。

なので、直行便はもちろん、経由便で日本に帰国する場合にも、
証明できる書類をあらかじめ準備しておくと安心ですね。




 

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